企業の業務効率化を考える際、近年急速に注目されているのが「SaaS(Software as a Service)」です。メールや会計、営業管理から人事・勤怠まで、あらゆる業務に対応できるサービスが登場し、導入する企業が増えています。
一方で、「選択肢が多すぎて何を導入すればいいのかわからない」「コストやセキュリティ面が不安」という声も少なくありません。
この記事では、SaaS活用による業務効率化の具体例や導入メリット・デメリット、失敗しない選び方について徹底解説します。
SaaSで効率化できる主な業務領域
SaaSは業務全般に幅広く対応できますが、特に以下の領域で導入効果が大きいとされています。
バックオフィス業務
- 会計・経費精算:freee、マネーフォワードクラウドなど
- 勤怠管理・人事:SmartHR、ジョブカンなど → 手作業で行っていた入力や集計を自動化し、確認作業の負担を軽減できます。
コミュニケーション
- 社内チャット:Slack、Chatwork
- ビデオ会議:Zoom、Google Meet → リモートワークや拠点間の連携を円滑にし、メールよりもスピーディな意思決定が可能。
営業・マーケティング
- CRM/SFA:Salesforce、HubSpot
- MA(マーケティングオートメーション):Marketo、b→dash → 顧客データを一元管理し、営業活動やマーケティング施策を効率化できます。
SaaS導入のメリット
初期コストが低い
サーバー構築やシステム開発が不要で、月額課金モデルが多いため、小規模から始められます。
常に最新バージョンを利用できる
アップデートはベンダー側が行うため、セキュリティ面でも安心です。
スピード導入が可能
数日〜数週間で稼働を始められるものが多く、業務改善をすぐに実感できます。
場所を選ばず利用できる
インターネット環境があれば、出社・在宅を問わず利用でき、柔軟な働き方をサポートします。
SaaS導入のデメリット
ランニングコストがかかる
初期費用は抑えられるものの、長期的には利用料が積み重なるため、費用対効果の検証が必要です。
カスタマイズ性が限定的
オンプレミス(自社構築型)と比べ、業務に完全に合わせた仕様変更は難しいケースがあります。
データ管理が外部依存になる
ベンダーの障害やサービス終了が業務に直結するリスクがあるため、バックアップや代替策を考えておく必要があります。
SaaS選びで失敗しないためのポイント
課題を明確にする
「なんとなく便利そうだから導入する」と失敗しがちです。経費精算の手間削減、人材管理の効率化など、具体的な目的を設定しましょう。
小規模導入で検証する
いきなり全社導入ではなく、特定部署で試してフィードバックを得るのがおすすめです。
既存システムとの連携を確認する
会計SaaSと銀行口座、CRMとメールマーケティングなど、シームレスに連携できるかどうかは効率化の肝です。
セキュリティ・信頼性をチェックする
- 多要素認証の有無
- データ暗号化の仕組み
- 稼働率(SLA)の保証 といったポイントを確認しましょう。
SaaS活用を成功させるコツ
- 従業員教育を徹底する:新しいツールを使いこなすには社内研修が欠かせません。
- 社内にIT推進担当を置く:導入・運用の責任者を明確にすることでスムーズに定着します。
- 定期的に見直す:利用状況を分析し、不要なライセンスを削除することでコストを最適化できます。
まとめ
- SaaSはバックオフィスから営業・マーケティングまで幅広く活用可能
- 初期投資が不要でスピーディに導入できる一方、ランニングコストや依存リスクには注意が必要
- 成功のカギは「課題の明確化」「小規模導入」「セキュリティ確認」
- 継続的な運用改善と社内教育で、効果を最大化できる
SaaSは業務効率化の強力な武器ですが、正しい選び方と運用がなければ十分な効果は得られません。ぜひ本記事を参考に、自社に合ったサービスを選びましょう。
FAQ
- QSaaSの利用料は高くなりませんか?
- A
長期的に利用すればコストは積み上がりますが、業務効率化による人件費削減や生産性向上を考慮すれば十分に元が取れるケースが多いです。
- Qセキュリティが心配です。どうすればいいですか?
- A
ベンダーのセキュリティ対策に加え、多要素認証やアクセス権限の最小化を自社で徹底することが重要です。
- QSaaSは中小企業でも導入できますか?
- A
むしろ中小企業に向いています。初期費用ゼロで導入でき、スモールスタートから始めやすいのが特徴です。
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