Discordでは便利なBotを導入することで、音楽再生やレベリング、荒らし対策などサーバー運営が格段に楽になります。
しかし一方で、Botそのものが荒らしに悪用されたり、悪質なBotが侵入してサーバーを破壊してしまう事例も少なくありません。
「気付いたらチャンネルが削除されていた」「怪しいBotが勝手に荒らしていた」――これは他人事ではなく、セキュリティを軽視しているサーバーなら誰でも被害を受ける可能性があります。
そこで今回は、Botによる荒らしの仕組みと具体的な対策方法を徹底解説します。
なぜBotによる荒らしが起きるのか?
Bot荒らしは大きく分けて2種類あります。
- 外部から侵入する悪質Bot
- フィッシングリンクやスパムを自動で送り続ける
- ボイスチャンネルで騒音を流す
- サーバーを混乱させる目的で作られたBot
- 管理者が招待したBotの悪用
- 権限を与えすぎた結果、チャンネル削除やメンバーBANを実行
- 信頼できない開発元のBotを導入してしまい、データを抜き取られる
- 見た目は普通でも裏で不正な動作をする
つまり「怪しいBotを入れない」「正しく権限を設定する」ことが最大の防御策です。
Bot荒らしによる被害事例
実際に報告されている被害には以下のようなものがあります。
- 招待と同時に 全メンバーへのスパムDM送信
- 全チャンネル削除 → サーバーが事実上崩壊
- 勝手にロールを作成・付与 して管理権限を奪取
- マルウェアやフィッシングサイトへの誘導リンクをばらまく
- サーバーを「BOTネットワーク」の一部として利用される
👉 特に恐ろしいのは「権限を与えすぎたBotによる内部破壊」です。人間の荒らしよりも短時間で被害が広がるため、対策は必須です。
Botによる荒らし対策の基本設定
招待するBotは信頼できるものだけにする
- 公式サイトや大手Botリスト(Top.ggなど)から導入
- 利用者数が多く、レビューや評価が確認できるBotを選ぶ
- 不明なリンクや個人がばらまいているBotは絶対に避ける
- 筆者自身、個人配布のBotを公開しているので説得力に欠けますが。。。
Botに与える権限を最小限にする
Botを導入するときに「管理者権限」をまとめて付与してしまうケースは非常に危険です。
- 本当に必要な権限だけを付与する(例:メッセージ管理、キック、BANなど)
- 「管理者(Admin)権限」は極力与えない
- チャンネルごとに細かく制御する
👉 「必要最小限の権限で動作するか」を必ず確認しましょう。
Bot招待リンクの安全性を確認
- 「OAuth2認証画面」で表示される権限を必ずチェック
- 「すべての権限を要求」するBotは怪しい
- 権限リストを見て「不必要な権限を要求していないか」を確認
サーバー検証レベルを強化する
Bot荒らしの多くは新規アカウントを使います。
サーバー設定の「検証レベル」を上げることで、怪しいBotの侵入を防止できます。
おすすめは「中(アカウント作成から5分以上)」以上です。
セキュリティ特化Botの導入
Bot対策には、逆に「セキュリティBot」を入れるのも有効です。
- Wick Bot:不審なBotやユーザーを自動で弾く、CAPTCHA認証付き
- Beemo:荒らしBotのパターンを検出し、自動でBAN可能
- Captcha.bot:新規参加時に認証テストを課すことでBot侵入を防ぐ
👉 「誰でも入れるサーバー」では、CAPTCHA認証はほぼ必須です。
監査ログでBotの動作を監視
Botに権限を与えすぎると、知らないうちに不審な動作をしている場合があります。
- チャンネル削除やロール付与のログを監視
- 「怪しい動作」が確認されたら即削除&BAN
- 定期的にログを確認する習慣をつける
定期的なBotの棚卸し
- 使っていないBotは即削除
- 長期間更新されていないBotは脆弱性のリスクあり
- 不明なBotが勝手に入っていないかを確認
Bot荒らしが起きたときの緊急対応
- 問題のBotを即BAN
- 監査ログで被害範囲を確認
- 招待リンクをリセットして再発防止
- 残存する不正ロールやチャンネルを修正
- メンバーに周知し、怪しいDMやリンクを踏まないよう注意喚起
👉 Bot荒らしは「スピード勝負」です。対処が遅れると被害が一気に拡大します。
よくある質問(FAQ)
- Q信頼できるBotかどうかを見極める方法は?
- A
利用者数・レビュー・公式サイトの有無を確認しましょう。数十万人以上が使っているBotは比較的安全です。
- QBotに「管理者権限」を与えても大丈夫ですか?
- A
基本的にNGです。開発元を完全に信頼できる場合以外は避けるべきです。
- Q荒らしBotがDMでスパムを送ってきた場合は?
- A
受信設定で「フレンド以外からのDM」を禁止にしておくと被害を減らせます。
- QBot荒らし対策には必ずセキュリティBotが必要ですか?
- A
小規模サーバーでは必須ではありませんが、公開サーバーや参加人数が多い場合は導入を強くおすすめします。
まとめ
- Bot荒らしは「外部からの侵入」と「内部での権限濫用」の2種類
- 対策の基本は 「怪しいBotを入れない」「権限を最小限にする」
- CAPTCHA認証付きセキュリティBotを導入すると被害を大幅に減らせる
- 監査ログ監視や定期的なBot整理も忘れずに
サーバー運営者にとって「Bot荒らし対策」はもはや必須の知識です。正しい設定を行い、安心して交流できるサーバー環境を作りましょう。
なお、途中でも触れましたが筆者自身も以下のBotを無料配布しているので説得力に欠ける部分はありますが、ロール権限やログ等を確認しながらご利用頂ければと思います。
ご紹介
筆者はDiscordの運営をより良いものにするためのBotを無料公開しています。よければご自身が管理されているサーバーや、参加しているサーバーの管理者に問い合わせて導入してみてはいかがでしょうか。