米国株投資を検討していると「FANG+」と「S&P10」という言葉を目にする機会が増えています。
どちらも「米国の成長企業に集中投資できる指数」ですが、性格・リスク・向いている投資期間は大きく異なります。
本記事では、
- FANG+とS&P10の違い
- 長期投資・短期投資での使い分け
- NISA(つみたて投資枠/成長投資枠)での実践的な配分例
- リスクに耐えられる場合・耐えられない場合の考え方
を、初心者にも分かりやすく整理します。
※当記事では「S&P500」「S&P10」「FANG+」の3本にのみ触れます。その他の全世界株式(VT系)や全米株式(VTI系)等は考慮しておりませんので、ご了承ください。
※当記事における「S&P500」「S&P10」「FANG+」とは、順に以下の銘柄を意味します。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)
- iFreeNEXT FANG+インデックス
FANG+とは?特徴とリスク
FANG+の概要
FANG+は、米国の超大型テック・成長企業約10社で構成される指数です。
代表的な構成銘柄には
- Apple
- Microsoft
- Amazon
- Alphabet(Google)
- NVIDIA
- Meta
- Tesla
- Netflix
などが含まれます。
最大の特徴:均等加重
FANG+の最大の特徴は、すべての銘柄をほぼ同じ比率で保有する「均等加重」です。
均等加重とは、投資先が10社の場合では全社10%ずつ均等に投資することを意味します。
メリット
- 出遅れ銘柄が反発すると大きなリターンを得やすい
- AI・半導体など成長テーマに直撃
デメリット
- すでに割高な銘柄も機械的に買い増す
- 下落相場では指数全体が大きく沈む
実際、FANG+は-50%〜-60%の下落も珍しくない高ボラティリティ指数です。
S&P10とは?特徴と安定性
S&P10の概要
S&P10とは、一般的にS&P500の中から時価総額上位10社に投資する指数(または投信)を指します。
構成銘柄は時期によって変わりますが、
- Apple
- Microsoft
- NVIDIA
- Amazon
- Alphabet
- Meta
- Berkshire Hathaway
- Eli Lilly
など、市場が選び続けた勝ち組企業が中心です。
最大の特徴:時価総額加重
S&P10は時価総額加重を採用しています。
時価総額加重とは、投資先毎に時価総額の大きい会社ほど多く投資し、小さい会社ほど投資額が少なくなる投資方法です。
メリット
- 成長し続ける企業の比率が自然に高まる
- 衰退企業は自動的に影響が小さくなる
- S&P500の新陳代謝を引き継げる
デメリット
- 爆発力はFANG+より劣る
- テック偏重は避けられない
とはいえ、FANG+よりは明確に安定志向の指数です。
S&P500・FANG+・S&P10の違いまとめ
| 項目 | S&P500 | FANG+ | S&P10 |
|---|---|---|---|
| 銘柄数 | 約500社 | 10社 | 10社 |
| 加重方式 | 時価総額加重 | 均等加重 | 時価総額加重 |
| 業種 | 分散 | ほぼテック | テック+非テック |
| 値動き | 比較的安定 | 非常に激しい | 激しいが比較的安定 |
| 向き | 長期・堅実 | 短期・攻め | 長期・準攻め |
| 信託報酬(手数料)率 | 0.0814% | 0.7755% | 0.10725% |
FANG+ vs S&P10:長期投資(10〜20年以上)に向いているのは?
結論:S&P10が有利
長期投資で最も重要なのは「勝ち続ける企業に乗り続けられるか」です。
FANG+は均等加重のため、
- 成長が鈍化した企業も同じ比率で持ち続ける
- 覇権交代に弱い
という弱点があります。一方S&P10は、
- 市場の評価が高い企業に自然と集中
- S&P500の新陳代謝を活かせる
ため、長期投資との相性が良いと言えます。
FANG+ vs S&P10:短期投資(数か月〜数年)に向いているのは?
結論:FANG+が有利
短期では、
- 分散
- 安定性
よりもテーマ性・勢い・ボラティリティが重要になります。
FANG+は
- AI・半導体ブームの直撃
- リスクオン相場でS&P500を大きくアウトパフォーム
しやすいため、短期のリターン狙いには非常に強力です。
ただし、出口戦略なしの放置は危険です。
NISAを使った実践的な配分例
前提
- つみたて投資枠:S&P500
- 成長投資枠:S&P10 / FANG+
リスクに「耐えられない」人向け
月3万円の例
- S&P500:24,000円
- S&P10:4,000円
- FANG+:2,000円
・FANG+はスパイス程度
リスクに「耐えられる」人向け
月3万円の例
- S&P500:18,000円
- S&P10:6,000円
- FANG+:6,000円
・長期×短期のバランス型
まとめ:迷ったらこの考え方
- 長期安定を重視 → S&P10
- 短期の爆発力を狙う → FANG+
- 両方取りたい → 役割分担が正解
特にNISAでは、
- コア:S&P500
- サテライト:S&P10 / FANG+
という構成が、精神的にも続けやすい王道パターンです。
または、当記事では紹介しませんでしたが、全世界株式(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))をコアとするのも良いですね。
※当記事で紹介した3銘柄(「S&P500」「S&P10」「FANG+」)は、いずれも米国株投資で投資先も酷似しています。その為、当ファンドを分散して保有しても値動きの相関は強くなります。(上昇、下落共に同じ動きになり易い)
相関を緩和させたい(リスクを下げたい)方は、上記が関与しない銘柄(日経、TOPIX、小型株系ファンド、コモディティ(ゴールド等)、債券等)への分散投資もご検討ください。
また、投資は自己責任です。投資前には、ある程度の金融知識を学ぶことをお勧めすると共に、ファンドの積立設定・購入前には必ず目論見書をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
- QFANG+とS&P10、初心者にはどちらがおすすめですか?
- A
基本的にはS&P10がおすすめです。
FANG+は値動きが非常に激しく、短期間で大きく下落することも珍しくありません。
一方S&P10は、
- S&P500の中から選ばれた上位企業
- 時価総額加重で勝ち組に乗り続けやすい
という特徴があり、精神的にも続けやすい指数です。FANG+は投資に慣れてから「サテライト」として少額で取り入れるのが無難です。
- QFANG+を長期保有してはいけないのでしょうか?
- A
「いけない」わけではありませんが、注意が必要です。
FANG+は均等加重のため、
- 成長が鈍化した企業も同じ比率で持ち続ける
- 10年、20年スパンでは覇権交代の影響を受けやすい
という弱点があります。そのため、
- 永久保有はS&P500やS&P10
- FANG+は利益が出たら一部利確
という使い分けが、長期投資では現実的です。
- QNISAではFANG+とS&P10、どちらを成長投資枠で使うべきですか?
- A
どちらも成長投資枠向きですが、役割が異なります。
- S&P10:長期保有前提の準コア
- FANG+:短期〜中期のリターン狙い
そのため、
- 安定志向 → S&P10中心
- 攻めたい → S&P10とFANG+を少量
という組み合わせがおすすめです。
- QFANG+は毎月積立と一括投資、どちらが良いですか?
- A
基本は毎月積立がおすすめです。
FANG+は価格変動が激しいため、
- 一括投資だと高値掴みのリスクが高い
- 積立にすることで購入価格を平準化できる(ドルコスト平均法)
特にNISAでは売買の自由度が低いため、積立+出口ルールを決めておくのが重要です。
- QS&P10はS&P500と何が一番違いますか?
- A
一番の違いは「集中度」です。
- S&P500:米国市場全体に広く分散
- S&P10:上位10社に極端に集中
つまりS&P10は、S&P500の濃縮版(リスクとリターンが高い)と考えると分かりやすいです。
- Q下落相場になったらFANG+はどうすべきですか?
- A
事前にルールを決めておくことが重要です。
例:
- 評価額が-40%になったら積立停止
- 利益が出たら半分利確
- FANG+は最大でも資産の10〜20%まで
感情で判断すると失敗しやすいため、「こうなったらこうする」を先に決めておきましょう。
- QS&P10とFANG+は両方持っても問題ありませんか?
- A
問題ありません。
むしろ役割を分ければ相性は良いです。
- S&P10:長期の安定成長
- FANG+:短期〜中期の成長ブースト
ただし、
- 合計で米国テック比率が高くなりすぎないよう注意
- FANG+はあくまでサテライト
という点は意識しておきましょう。
- Q結局どれを選べば正解ですか?
- A
迷ったら、以下が失敗しにくい結論です。
- コア:S&P500
- サテライト:S&P10
- 余裕があれば:FANG+を少量
「迷う=リスク耐性は高くない」ことが多いため、まずは守り寄りの構成から始めるのがおすすめです。

