Discordはゲームや趣味の仲間同士で集まれる便利なコミュニケーションツールですが、サーバーを開放すると「荒らし」「スパム」「不適切な発言」などのトラブルが発生しやすくなります。
特に公開サーバーや参加人数が多いコミュニティでは、わずかな隙から大量のスパムが流入し、サーバーが大混乱に陥るケースも少なくありません。
しかし、安心してください。Discordには、管理者が荒らし被害を防ぐためのセキュリティ機能が多数用意されています。
本記事では、サーバー運営者が必ず知っておきたい荒らし対策のポイントを具体的に解説していきます。
なぜDiscordで荒らし対策が必要なのか?
Discordは誰でも簡単にサーバーを作成でき、招待リンクをシェアすれば一瞬で人が集まります。その気軽さは魅力である一方、以下のようなリスクを伴います。
- 新規アカウントによる スパム投稿や広告リンク
- ボイスチャンネルでの 騒音・不適切発言
- 全員メンション(@everyone) を悪用した荒らし
- サーバー設定にアクセスして チャンネル削除・権限改ざん を行う攻撃
こうした被害は一度発生すると被害範囲が広がりやすく、参加者の離脱やコミュニティの信頼低下に直結します。だからこそ、「事前の設定」こそ最大の防御策なのです。
Discordでできる荒らし対策のセキュリティ設定
サーバー検証レベルの設定
新規ユーザーが即時に発言できる状態は非常に危険です。検証レベルを設定することで、荒らしを事前にブロックできます。
検証レベルは以下の5段階。
- なし:制限なし(危険度MAX)
- 低:メール認証済みアカウントのみ発言可
- 中:アカウント作成から5分以上経過したユーザーのみ発言可
- 高:サーバー参加から10分経過後に発言可
- 最高:電話番号認証済みユーザーのみ発言可
👉 公開サーバーでは「中」以上が推奨です。特にスパムアカウントは新規作成が多いため、アカウント年齢制限をかけるだけで大幅に被害を減らせます。
招待リンクの管理
- 無期限リンクの乱用は危険:リンクがSNSに流出すると荒らしが容易に侵入可能
- 期限付き招待を発行:数時間〜1日で無効化されるリンクを使用
- 一度きりの招待リンクを利用すれば拡散リスクを最小化
さらに、サーバーの性質によっては 承認制(Communityサーバーのメンバー承認機能) を導入するのも効果的です。
詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
モデレーション機能の活用
Discordには標準でスパム防止機能があります。
- 不適切な言葉フィルタ:下品な単語や禁止ワードを自動削除
- 連投スパムの自動検出:短時間での大量発言をブロック
- 危険なリンク検出:フィッシングサイトや不審URLを警告
ただし標準機能だけでは限界があるため、MEE6やDynoといったBotを組み合わせて精度を高めるのがおすすめです。
詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
ロールと権限の徹底管理
荒らし対策で最も重要なのが「権限設定」です。
- @everyoneに管理権限を与えない
- チャンネル削除やロール管理は管理者のみ
- 全員メンション(@everyone, @here)を制限
特に「少人数だから大丈夫」と思って緩めに設定すると、内部荒らしが発生した際に一気に被害が広がります。最低限の権限管理を徹底することが荒らし対策の第一歩です。
メンバー認証の強化
- CAPTCHA認証付きBot(Wick Botなど) を導入
- 自己紹介チャンネル必須にして、承認後にロールを付与
- 電話番号認証を必須化することで、複数アカウントによる荒らしを防止
特に公開サーバーでは、自動Bot荒らしが頻発するため、CAPTCHA認証は必須と言えます。
監査ログの活用
「誰がいつ何をしたか」を追跡できるのが監査ログです。
- 誰がチャンネルを削除したのか
- 誰が新しい招待リンクを作成したのか
- 誰が他メンバーをBANしたのか
👉 荒らし発生時に必ず確認しましょう。ログ確認によって「内部荒らし」も特定できます。
荒らし対策に役立つおすすめBot
MEE6
- レベルシステムで参加者のモチベーション管理
- 禁止ワード検出や自動警告機能あり
- 荒らし対策+コミュニティ運営の両立に便利
Dyno
- 高度なモデレーション機能が特徴
- 自動BAN・自動キック設定が可能
- ログ管理も強力で、監視体制を強化できる
Carl-bot
- 反応ロールで参加者管理が楽になる
- スパム検知・警告システム搭載
- 多機能ながら動作が軽く、大規模サーバーでも安定
Wick Bot
- セキュリティ特化型Bot
- CAPTCHA認証でBot荒らしを完全防止
- 侵入時の怪しい挙動を自動で検出
荒らしを防ぐための運営テクニック
単に設定を強化するだけでなく、日常的な運営姿勢も重要です。
- サーバールールを明文化し、固定メッセージやガイドチャンネルに表示
- モデレーターを複数配置し、監視体制を分散
- 定期的に 権限・招待リンクを見直す
- 被害が発生した場合は 即時BAN→監査ログ確認→対策共有 の流れを徹底
👉 荒らしを「完全にゼロ」にすることは難しいですが、上記を徹底すれば被害を最小限に抑えられます。
よくある質問(FAQ)
- Q荒らしが入ってきたら、まず何をすべきですか?
- A
即座に「BAN」または「キック」で排除し、被害が広がらないようにします。その後、監査ログで被害範囲を確認してください。
- Qサーバーを公開にしても安全にできますか?
- A
完全に安全とは言えませんが、「検証レベル設定」「CAPTCHA認証」「Bot導入」を組み合わせることでリスクを大幅に減らせます。
- Q小規模サーバーでも荒らし対策は必要ですか?
- A
はい。身内だけのサーバーでも、招待リンクが漏れると荒らしに狙われる可能性があります。最低限の検証レベルや権限管理は必須です。
- QBotを入れないとダメですか?
- A
小規模なら標準機能でも対応可能ですが、50人を超えるサーバーではBot導入を強くおすすめします。
まとめ
- 荒らし対策は 「検証レベル設定」「招待リンク管理」「権限制御」 が基本
- Botを導入することで、荒らし検知やログ監視を自動化できる
- ルール整備やモデレーター配置も合わせて運営体制を強化することが重要
サーバー運営者にとって「荒らし対策」は避けて通れないテーマです。今回紹介したセキュリティ設定を導入し、安心して交流できる環境を整えていきましょう。
ご紹介
筆者はDiscordの運営をより良いものにするためのBotを無料公開しています。よければご自身が管理されているサーバーや、参加しているサーバーの管理者に問い合わせて導入してみてはいかがでしょうか。