「新NISAはやめとけ」──SNSやブログでよく見かけるこのフレーズ。
制度自体は国が推奨する非課税の資産形成制度なのに、なぜこんなネガティブな意見が出るのでしょうか？この記事では、「やめとけ」と言われる理由を紐解きながら、本当に投資をやめた方がいい人の特徴を解説します。
また、意外と知られていない“実は誰もが投資している”という視点や、資産形成における投資の必要性についても触れていきます。
自分はNISAをやっていいのか？
迷っている方に向けて、判断材料となる内容をお届けします。
「新NISAはやめとけ」と言う人の特徴とは？
「やめとけ」と言っている人の中には、以下のようなタイプが多いようです。
- 過去に投資で大きく損をした経験がある人
- 投資リスクを受け入れられない人
- 株価の一時的な下落で慌ててしまう人
- 投資そのものに不信感を抱いている人
これらの人たちが新NISAに対して慎重になるのは当然のことです。過去の経験や性格によっては、「やめた方がいい」と感じるのも自然な反応なのです。
本当に新NISAをやめた方がいい人の特徴
「やめとけ」という意見を鵜呑みにする必要はありませんが、確かに今からの投資に向いていない人もいます。
以下に該当する人は、慎重になった方がよいでしょう。
暴落時にパニック売りをしてしまう人
相場は必ず上下します。
そのたびに恐怖心から売却してしまうようでは、せっかくの非課税枠を無駄にしてしまう可能性があります。
対策
暴落時に慌てるほど新NISAに投資しないことである程度回避できます。例えば、100万円の貯金を持っている状態で80万円を新NISAに投資し、50％の暴落が起きると評価額は40万円となります。
余った貯金と足しても60万円となり、慌てて売却してしまうことに繋がってしまいます。
しかし、10万円だけを新NISAに投資している状態だと、50％の暴落が起きても評価額は5万円になり、余った貯金と足すと95万円になります。
投資に回しすぎると暴落が怖くなり、貯金を重めにするとリターンが小さくなってしまうので、塩梅が大切です。
投資の仕組みを理解していない人
「なんとなくおトクそうだから始めた」だけでは、投資を続けることは難しいです。
最低限の仕組み（リスク・資産分散・時間分散など）は理解しておく必要があります。
銘柄選びや判断をすべて他人に任せている人
SNSやインフルエンサーの言うことだけを信じて投資するのは非常に危険です。「なぜ◯◯に投資するのか」について他人に問われた時、ある程度は自分の言葉で説明できた方が好ましいです。
最終的に損をしても、誰も責任を取ってくれません。
高齢で資産の取り崩し時期にある人
長期的な資産形成が目的の新NISAは、「お金を育てる」制度です。
そのため、既に資産を使う段階にある高齢者や余命の短い方にとっては、投資による成長を待つメリットが薄いこともあります。
そのような方は、流動性や安全性を重視した資産配分を検討すべきかもしれません。
実はみんな「投資」をしている？
投資と聞くと「株」「投資信託」などを思い浮かべますが、実は日本円のまま預金しているという行動も、広い意味で投資（というより資産配分の選択）にあたります。
預金だけに偏るということは、「日本経済と日本円にすべてを賭けている」という状態でもあります。
つまり、「投資しない」つもりでいても、すでに何かにリスクを取っているのです。
投資の必要性とは？〜リスク分散と時間の力〜
将来の物価上昇や老後資金を考えると、「現金だけで備える」には限界があります。
そのため、インフレに負けないためにも、リスクを分散して資産を持つことが重要になります。
分散のポイント
- 複数の銘柄・地域に分ける（地域分散・業種分散）
- 一度に買わず、積立で時間分散する
- 株だけでなく債券や現金も組み合わせる
これらを意識することで、リスクを抑えながら投資を続けることができます。
やるかやらないかは「あなた次第」
最後にお伝えしたいのは、投資をするかどうかの判断は、あくまで本人次第ということです。誰かが「やめとけ」と言っていても、それが自分に当てはまるとは限りません。
逆に、「今こそ始めるべき」と言われていても、まだ準備ができていないなら見送るのも賢明な選択です。大切なのは、「なぜ投資をするのか」「なぜNISAを活用するのか」を自分の言葉で説明できること。
その土台ができていれば、焦らず、ブレずに続けていけるでしょう。
まとめ｜やめる理由ではなく、続けられる理由を探そう
- 「新NISAやめとけ」という声は、一部の失敗談や誤解が原因
- 本当にやめた方がいい人には共通の特徴がある
- 実はみんな、何らかの形でリスクを取って生きている
- 分散と理解を持って投資を行えば、長期的な資産形成に役立つ
- 判断は「他人」ではなく「自分」がするべき
「やめとけ」で終わらせるのではなく、「どうすれば続けられるか」を一緒に考えていきましょう。
よくある質問（FAQ）
- Q「新NISAはやめとけ」と言われる最大の理由は何ですか？
- A
一番多い理由は、「株価の暴落が怖い」「損をしたくない」という心理的な不安です。また、制度の仕組みを誤解していたり、過去の失敗経験に基づいて否定的な意見を持っている人もいます。
- Q投資初心者でも新NISAは利用できますか？
- A
はい、むしろ初心者こそ長期・分散・積立という新NISAの基本方針に向いています。ただし、最低限の仕組み（リスク、手数料、運用先など）は学んでおく必要があります。
- Q高齢者は新NISAを使わない方がいいですか？
- A
一概には言えませんが、資産を育てる期間が短く、生活費として資産を取り崩すフェーズにある場合は、新NISAのメリットは小さくなるかもしれません。現金や短期債券など流動性の高い資産を重視する選択も検討してみてください。
- Q投資で損をした場合、新NISAでは税金面の救済はないの？
- A
新NISAで損失が出ても、損益通算や繰越控除はできません（非課税口座のため）。その点は課税口座と違い、デメリットになる部分です。
