同じ「野球」という競技でも、高校野球（アマチュア）とプロ野球（NPB）では細かなルールや運営方法に違いがあります。
特に、高校野球は教育的配慮や選手の安全、試合の円滑な進行を重視しているため、「危険球による退場の有無」「バットの材質」「タイブレーク制度」など多くの違いが存在します。
本記事では、高校野球とプロ野球のルールの違いを分かりやすくまとめました。
高校野球とプロ野球の主なルールの違い
危険球（頭部デッドボール）による退場
- プロ野球（NPB）：頭部付近への投球が危険球と判定されれば、投手は退場となる場合があります（内規による）。
- 高校野球：基本的に退場にはなりません。ただし、故意と判断されれば警告や退場の可能性があります。
バットの材質
- プロ野球：木製バットのみ使用可能。
- 高校野球：金属バットの使用が認められています（木製も可）。コスト面や耐久性の理由が背景にあります。
臨時代走制度
- プロ野球：臨時代走は認められず、交代扱いとなります。
- 高校野球：審判が選ぶ最も打順の遠い選手が臨時代走として出場可能（例：頭部デッドボール時）。
タイム（伝令）の回数制限
- プロ野球：特に制限なし。
- 高校野球：1試合あたり3回まで。延長戦では1イニングに1回まで。
延長戦とタイブレーク制度
- プロ野球：タイブレークは原則なし（リーグ規定により延長制限はあり）。
- 高校野球：大会によって10回または12回からタイブレークを採用。
公式記録の特例
- 高校野球では、タイブレークで出塁したランナーは投手の自責点としないなど、記録上の特例があります。
審判への提訴制度
- プロ野球：提訴制度あり。
- 高校野球：提訴制度はなく、控え審判制度が試合をサポート。
コールドゲームや盗塁の慣習
- プロ野球：コールドゲームなし。盗塁制限なし。
- 高校野球：地方大会によってはコールドゲームあり。賛否はあるが、盗塁は点差や状況によって控える場合も。
（アンリトゥンルール）
高校野球とプロ野球のルール比較表
| 項目 | プロ野球（NPB） | 高校野球 |
|---|---|---|
| 危険球退場 | あり（内規） | 基本なし（例外あり） |
| バットの種類 | 木製のみ | 金属バット可 |
| 臨時代走 | × | ○（審判選定） |
| 伝令回数制限 | なし | 試合3回まで |
| 延長戦 | 原則なし | 10回or12回からタイブレーク |
| 記録特例 | なし | タイブレーク特則あり |
| 提訴制度 | あり | ×（控え審判あり） |
| コールドゲーム | なし | 地方大会であり |
まとめ
高校野球とプロ野球は、同じ野球のルールを基本としながらも、教育的配慮や大会運営の都合によって多くの違いがあります。
特に高校野球では、選手の安全や公平性を重視した特別規則が多く、プロ野球よりも制限が多い傾向です。
観戦するときは、こうした違いを知っておくと試合の見方がより深まります。
FAQ
- Q高校野球はビデオ判定（リクエスト制度）がありますか？
- A
現在は導入されていません。すべて審判の判断によって試合が進行します。
- Q高校野球でも危険球退場はあり得ますか？
- A
基本的にはありませんが、故意と判断された場合は警告や退場処分が下される可能性があります。
- Q高校野球で木製バットを使ってもいいですか？
- A
規則上は可能ですが、全国大会では金属バットが主流です。
- Q高校野球のタイブレークはいつから適用されますか？
- A
10回から適用されるのが一般的です（大会により異なる）。
