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投資信託の基礎用語をわかりやすく解説|リターン・リスク・シャープレシオ・分配金など

本・学び・雑記
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投資信託は、少額から始められ、プロが運用してくれるという点で、初心者にも人気の資産運用方法です。

しかし、実際に始めようと思ったときに出てくる「リターン」「リスク」「分配金」「シャープレシオ」などの専門用語に戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか?

本記事では、投資信託に関する基礎用語を初心者向けにやさしく丁寧に解説します。

これから投資を始めたい方や、すでに始めているけれど用語の意味があいまいな方にも役立つ内容になっています。

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リターンとは

リターンの意味と考え方

リターンとは、投資によって得られる成果(利益)のことです。

投資信託の場合、主に次の2つがリターンにあたります。

  • 基準価格の上昇による利益(値上がり益)
  • 分配金としての現金収入

たとえば、10万円で購入した投資信託が1年後に11万円になっていれば、1万円の利益(=10%のリターン)です。これが「年率リターン」と呼ばれるものです。

リターンの見方

リターンは高ければ良いと思いがちですが、高リターン=高リスクとなる場合が多いです。

リターンだけでなく、そのリターンを得るためにどれだけのリスクを取っているのかもあわせて確認することが重要です。

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リスクとは

リスクの意味:投資における「不確実性」

一般的に「リスク」と聞くと「危険」「損をする」といったイメージを持つかもしれませんが、投資の世界では意味が異なります。

投資信託におけるリスクとは、リターンの「ブレ幅」=価格の変動幅を意味します。

値動きが大きければリスクが高く、安定していればリスクは低いとされます。

リスクの3段階分類

ハイリスク・ハイリターン

  • 例:新興国株式ファンド、米国ハイテク株ファンドなど
  • 値動きが大きく、短期間で大きく儲かることもあれば、大きく損をすることもあります。

ミドルリスク・ミドルリターン

  • 例:バランス型ファンド、先進国株式ファンド
  • 比較的安定した成長を狙えるが、一定の価格変動リスクは伴います。

ローリスク・ローリターン

  • 例:日本国債ファンド、MMF(マネー・マーケット・ファンド)など
  • 値動きが非常に少なく、損失リスクは小さいが、その分リターンも限定的です。

数値で見るリスクの目安

投資信託では「標準偏差(%)」という数値でリスクを示します。

たとえば「リスク15%」と表記されている場合、年によって半分以上の確率で±15%程度の価格変動が起こりうるという意味になります。

「半分以上の確率で」ってどういうこと?

と思われた方もいらっしゃるかと思いますので、ここでは「リターン:7% リスク15%」を例に簡潔にご紹介します。

発生確率計算式リターン
約68%7%<リターン> ± 15%<リスク>-8% 〜 +22%
約95%7%<リターン> ± (15%<リスク> × 2)-23% 〜 +37%
約99.7%7%<リターン> ± (15%<リスク> × 3)-38% 〜 +52%

計算式と確率から見るリターンは上表のとおりです。

ちなみにですが、私が作成した積立シミュレーションの「上位5%」と「下位5%」も発生確率95%を採用し算出しています。

しかし、確率は確率です。なので、以下の積立シミュレーションはリスクを0%以外にすると毎回異なる結果が出力されます。まだ試されていない方は、ぜひ一度お試しください。

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シャープレシオとは

シャープレシオの定義と意味

シャープレシオとは、「どれだけ効率よくリターンを得ているか」を示す指標です。

単にリターンが高いだけでなく、リスクをどれだけ取っているかもあわせて評価します。

計算式は次の通りです:

シャープレシオ = (リターン − 無リスク金利) ÷ リスク

ここでの「無リスク金利」は、定期預金や国債などのリスクがほとんどない運用利回りを想定します。(近年ではほぼ0%〜1%)

シャープレシオの評価基準(目安)

シャープレシオ評価
0.3未満効率が悪い(高リスク低リターン)
0.3〜0.5平均
0.6〜0.9合格点レベル
1.0以上非常に優秀

たとえば、Aファンドのリターンが5%、リスクが10%なら、シャープレシオは0.5。

一方、同じ5%のリターンでもリスクが5%であれば、シャープレシオは1.0になります。

つまり、同じ成果でもリスクが少ない方が良い運用とされるのです。

しかし、シャープレシオの見方には少し落とし穴もあります。それは、「短期だと粗悪的な商品も高スコアになりうる」と言う点です。

いくら粗悪な投資信託であっても、短期的には好成績を出すこともあります。逆もあり、優良な投資信託であっても、短期的には低成績になることもあります。

なので、判断材料の一部とし、シャープレシオだけ見て購入することはお勧めできません

基準価格とは

基準価格の意味と特徴

基準価格とは、投資信託1万口あたりの価格のことです。

株でいう「株価」に近いイメージで、毎日変動します。

多くの投資信託では「1万口=10,000円」でスタートし、運用成績によって増減していきます。

基準価格の変動要因

  • 株式や債券の値動き
  • 為替レートの変動
  • 分配金の支払い(支払うとその分下がる)

価格が高くなったからといって割高とは限らず、重要なのは「どう増えているか」という点です。

分配金とは

分配金の意味と特徴

分配金とは、投資信託が得た収益の一部を投資家に還元するお金です。

毎月・四半期・年1回など、ファンドごとに支払頻度は異なります。

受け取った分配金は、手元の現金になるだけでなく、再投資することで複利効果を得ることもできます。

分配金と基準価格の関係

分配金が支払われると、その金額分だけ基準価格は下がります。

これは、ファンドの中からお金を出しているからです。

毎月分配型は注意が必要

一見お得に見える毎月分配型ファンドですが、元本を取り崩して分配していることもあり得ます。

その場合、将来的な資産形成には不利になる可能性があります。

特別分配金とは

特別分配金の定義

特別分配金とは、投資信託の元本から支払われる分配金のことです。

利益から出ていないため、非課税ですが、資産が減っている状態での分配となる点に注意が必要です。少し別の表現をすると、「特別分配で受け取る分、基準価格が減額する」ということです。

もっと言うと、

  1. 1,000円投資して
  2. 100円を特別分配として受け取った場合
  3. 評価額が100円減る(要は何も変わっていない)

と言うことになります。

普通分配金との違い

分配金の種類税金元本への影響
普通分配金あり(NISAは非課税)なし
特別分配金なし元本が減る

分配金の内訳は、運用報告書や証券会社の画面などで確認できます。

「利益が出ているように見えて、実は元本が減っている」ということもあるため、内容の確認は必須です。

よくある質問(FAQ)

Q
投資信託は元本保証がありますか?
A

いいえ、投資信託に元本保証はありません。運用成績によっては、投資元本を下回ることもあります。ただし、リスクの低いファンドを選ぶことで、値動きの幅を抑えることは可能です。

Q
分配金は受け取った方が得なんですか?
A

一概には言えません。再投資型(分配金を自動で再投資)の方が、複利効果で資産が増えやすくなります。

収入を得たい人は受け取り型、資産形成を重視する人は再投資型がおすすめです。

しかし、NISA口座の場合、再投資すると非課税枠を消費するので、ご注意ください。

Q
シャープレシオが高いファンドだけ選べばいいですか?
A

シャープレシオは運用効率を見るのに役立ちますが、過去の成績に基づいた指標です。将来も同じ成績になるとは限らないため、他の要素と併せて判断することが大切です。

また、シャープレシオは期間ごとに評価されます。期間が短ければ、シャープレシオの評価も偏ります。

Q
特別分配金ばかり出ているファンドは避けるべき?
A

原則として、特別分配金が続いているファンドは資産の目減り傾向があることを意味します。投資目的が「資産の成長」であれば、避けた方が無難です。

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