近年、パチンコ業界にもキャッシュレス化の流れが押し寄せています。その中で注目されているのが、株式会社PPPが開発した「PPPAY(ピーピーペイ)」という新しい決済サービスです。
現金を持ち歩かずに遊技できるという便利さが話題を呼んでいますが、一方で「依存症を悪化させるのでは?」という懸念の声も少なくありません。
今回は、PPPAYの仕組みや特徴、そして依存症リスクを含めた課題をわかりやすく解説します。

PPPAYとは?
PPPAYは、株式会社PPPが提供するパチンコ・パチスロ専用のキャッシュレス決済アプリです。
利用者はスマートフォンにアプリをインストールし、クレジットカードを登録するだけで、ホール内のQRコードを読み取って遊技玉やメダルを借りることができます。
従来のように現金をサンドに投入する必要がなく、ATMに寄る手間や多額の現金を持ち歩くリスクが減る点がメリットとされています。
本人確認には生体認証などを用い、セキュリティにも配慮されています。
PPPAYの特徴とメリット
現金を使わないスマートな遊技
QRコードを読み取るだけで、数秒で貸玉・貸メダルの手続きが完了します。
現金を出す必要がなく、スマホ一台で遊技が始められるのは非常に手軽です。
「財布を開けずにすぐ遊べる」という手軽さから、若年層を中心に注目を集めています。
セキュリティと依存症対策を意識した設計
PPPAYでは、国際基準のセキュリティ(PCI DSS)に準拠しており、カード情報は安全に管理されています。
また、「1日2万円・月8万円」という利用上限が設けられており、これは依存症対策としての意味合いもあります。
ただし、この“上限設定”があるからといって安心というわけではありません。
むしろ、スマホさえあればいつでもどこでも簡単にお金を使えるようになるため、
「現金の減りに実感が伴わず、つい使いすぎてしまう」という懸念もあります。
依存症リスクが高まる懸念
手軽さゆえに歯止めが効かなくなる可能性
現金を使う場合、「財布の中身が減る」という物理的な感覚がストッパーになります。
一方でPPPAYのようなキャッシュレス方式では、画面上の残高や上限設定が見えていても、実際にお金を使っている実感が薄れやすいという問題があります。
そのため、「ついワンタップで貸出」→「気づいたら上限に達していた」というケースも考えられます。
上限金額も「1日2万円かつ月間8万円」と定額のため、低収入者と高収入者では上限金額の受け止め方も異なります。人によっては、1日2万円・月間8万円でも生活に支障を来すでしょう。
特に依存傾向のある人にとっては、より危険な環境になる可能性があります。
「依存症対策」と「利便性」は表裏一体
PPPAYの上限設定自体は、企業としての一定の努力と言えます。
しかし、キャッシュレス化によって遊技へのアクセスが容易になり、利用頻度が増える懸念があるのも事実です。上限金額設定の月間8万円と言う数字も、1日2万円と考えれば少なくとも月に4日もパチ屋へ行く機会になりえます。
つまり、「依存を防ぐための仕組み」と「依存を助長する手軽さ」が同時に存在するという矛盾を抱えていると考えます。
手数料と利用上限の課題
PPPAYにはシステム利用料として5%の手数料が発生します。たとえば1万円分を貸出すると500円の手数料が上乗せされる計算です。
※利用者が負担するのか店舗側が負担するのか明記されていないですが、公式HPを見る限り恐らくは利用者が負担する形かと思います。
利便性の高さと引き換えに、コスト負担が生じる点は利用者にとって悩ましいところでしょう。
さらに、前述の通り1日の利用上限は2万円、月間では8万円までと定められています。
ライトユーザーにとっては十分ですが、長時間プレイを楽しむ層には物足りない金額かもしれません。
導入状況と今後の展望
2025年現在、PPPAYの導入を検討しているホールを募集している段階で、正式に稼働している店舗情報は公表されていません。
一部では「大阪のホールでテスト導入が予定されていた」との報道もありましたが、その後は中止になったとも伝えられています。
つまり、現状ではテスト段階・導入検討段階にあると考えられます。
業界内では現金管理の負担軽減や省人化への期待がある一方、法的な整理や設備対応の問題があり、普及には時間がかかりそうです。
ただし、キャッシュレス化は時代の流れであり、PPPAYがその先駆けとなる可能性は十分にあります。
将来的には「便利さ」と「依存防止」のバランスをどのようにとるかが、サービス普及の鍵となるでしょう。
筆者が思う疑問
個人的に気になる点を1つ挙げると、PPPAYはクレジットカードのショッピング枠を利用し遊技することになると考えられます。
しかし、実際には遊技せず「玉貸」→「特殊景品と交換」という流れで手数料は掛かるもののショッピング枠を現金化することが可能になると考えられます。
ショッピング枠の現金化は、多くのクレジットカード会社の規約で禁止されている行為ですので、PPPAYへのチャージをクレジットカード会社が許容するのかが疑問です。
キャッシュレスが目的なら、クレジットカードでのチャージを許容せず、銀行と紐付けた現物の現金のみチャージ可とすれば良いのでは?と感じます。
※クレジットカードは、考え方として借金にあたるので、そもそも借金しての遊技はいかがなものかと。。。
まぁ、個人的な意見なんですけどね。
まとめ
PPPAYは、パチンコ業界におけるキャッシュレス化の第一歩として注目されています。
現金を使わずに遊べる利便性やセキュリティ面での安心感は確かに魅力ですが、同時に依存症リスクの高まりという重大な課題も抱えています。
「上限金額の設定」という対策がある一方で、スマホひとつで簡単に遊技ができることが、かえって歯止めを弱める結果になる可能性もあります。
便利になるほど危険も増す——この点を利用者自身が意識することが求められるでしょう。
よくある質問(FAQ)
- QPPPAYはどこで使えますか?
- A
現在はテスト導入段階で、正式に稼働している店舗は公表されていません。
- Q手数料はかかりますか?
- A
はい。利用金額の5%がシステム利用料としてかかります。
- Qどのくらい使えるのですか?
- A
1日あたり2万円、月間で8万円までの上限があります。
- Q依存症対策はされていますか?
- A
上限金額を設けるなどの取り組みはありますが、キャッシュレス化により逆に依存リスクが高まる懸念もあります。
このように、PPPAYは利便性とリスクが紙一重のサービスです。
パチンコ業界のキャッシュレス化を進める上で、利用者の意識や社会的な仕組みづくりが今後ますます重要になっていくでしょう。

